最近の無職の話
6月に入ってからの話である。
無職も半年になった。はっきり言おう。
暇である。
そして当然のように収入がない。
いかに効率的にコスパよく暇を潰すか、わたしの場合はヘアモデルをする。
ちなみに今月は合計15回美容室に行く。ヘアドネーションをしたいのでカットモデルはやらない。基本的にはヘアメイクのモデルか、ブローモデル、パーマのロッド巻きモデルというあたりである。
こんなことをしていて楽しいのかと聞かれそうだが、これがなかなかどうして美容室の裏側・それぞれのサロンの雰囲気が垣間見えて楽しいのである。お客としてサロンに行くと当然のことながら営業中のやり取りしか見えない。
モデルで行っても丁寧に接してもらえるが、営業前、営業後だとスタイリストとアシスタントの関係は営業中よりもかなりはっきりしている。雑な表現をしてしまえば、師匠と弟子の関係に近いように見える。
ブローモデルなんかは今年に入って十数回行ったので、素人ながらにかなり出来不出来などの違いがわかってくるようになったものの、スタイリストたちが見るとわたしが全く気にならないような根元の癖付けの方向、毛先の全体の流れ、ツヤ、ブロー中のスライスの取り方、テンションのかけ方、ドライヤーの角度、最後の毛先の置き方・ブラシの抜き方その他チェックしなければならないところがたくさんあるようである。
やはりこのやり取りを聞いていると、美容師は職人だと思う。
寿司職人なんかも下積みが長く云々という話題が時々出るが、技術の要る仕事は何でもそうなんだろう。
まず、わたしにはできない芸当である。サクッと仕事を覚えて、勝手にやらせてほしい。効率のいいやり方は先輩方から聞くか、聞いた上で自分用にさらに効率よくこなせるようにする。賛否両論ありそうだが、面倒事も無駄なこともきらいなのだから仕方がない。
まあ、美容室のモデルはとにかく暇も潰れるし、アシスタントの方から感謝もされるし、めちゃくちゃ軽めのボランティア感覚で他の人たちも行けばいいのにと思う。カットやカラー、パーマでなければそうそう変にされることもなかろう。
ちなみに言うと、かなり懇意にいているアシスタントさんがひとりいて、わたしからしたら歳下のかわいい女の子という感じだが、本当によくしてもらっているので、ヘアドネーションのときのカットは彼女に任せたいと密かに思っている。
要するに若くてかわいい女の子はそれだけで価値がある。
ぐるぐるパーマロッド。
あぐれ