おかかえのあたま

ぐれたりぐれなかったり

軽躁の話

耐えられない。とにかく何かをしてないとだめになる、立ち止まるとまたうつ転しそうでこわい。立ち止まらなくてもそのうち今の代償を払うときが来るのかと思うと絶望する。

首を吊ったとき、死んでおけばよかった。人にみつからなければよかった。合鍵なんて渡さなければよかった。若くて惜しまれるときに死んでおきたかった、死んでおくべきだった。

今となってはもう生きる意味もないし、死ぬ意味もない、ただなんとなく時間が過ぎるだけでわたしがこの世にいる価値はない。躁で気持ちを誤魔化していてもいつだって生まれてきたくなったし、早めに死ぬべきだと思う。早めに死ねなかった自分が悪い。首吊りも服毒も、生き残る可能性が高かったのに最後の最後で生にしがみつこうとした馬鹿な自分を誰か殺してくれ。父親はどうしてわたしがもっと幼かった頃に殴り殺してくれなかったんだろうか、本気で殴り続ければ抵抗しない小学生中学生のガキなんて簡単に殺せたはずだったのに。無意味な人間性が出てしまったんだろうか。殴られてる間、ずっと生まれてきたことを後悔していた。泣くと余計に殴られるから、黙ってサンドバッグになっていた。ずっと生まれてきてごめんなさいと言って見知らぬ神に許しを請うた。許してもらえず結局当時の記憶を引きずったまま精神障害者が出来てしまった。なぜ殺してくれなかったのか。子どものときに殴り殺されたかった。いつも親の顔色を伺って男の人が怖くて、親の喜びそうなことをして、何一つ見てもらえなくて苦しかった。父親と顔が似ていない。どうしようもない事実を母親はへらへらしながら伝えてくる。わたしはどうしたらよかったんだろうか。高校にも大学にも行かずに馬鹿な地元の奴等とつるんで子どもでも作っておけばよかったんだろうか。それとも父親も母親も刺し殺して少年院にでも入って人生の枷を取り除けばよかったんだろうか。なんで兄弟でわたしだけ殴られていたのか、なんで母親はいつも見て見ぬふりをしたのか、全部答えはわかっている。わたしだけ父親と関係のない生物だからだ。どうしようもない。わたしにはどうしようもない。生んでくれと頼んだわけじゃない。育ててくれと頼んだわけじゃない。父親だってどうせ勘付いているなら潔く殺すか、児相にでも預けてほしかった。大学まで出して無駄な恩をうらないでくれ。わたしは親不孝のレッテル張りが嫌で会社では盆暮れ正月毎回嘘を吐き続け、そんな自分にも嫌気が差したし、もう疲れた。いちいた取り繕うことに疲れた。殺してくれないなら頼むから早く死んでくれ。わたしのために死んでくれ。殺すほどの気力はないし、そこまで彼等を愛していない。わたしにも兄弟にも迷惑をかけず勝手に死んでくれ。難しいなら殺してくれ。

万が一また生まれることがあったとしたらもう2度と人間には生まれたくない。