寝る前の話
寝る前には入眠剤を飲む。正確には他の薬も飲んでいるが、効いてほしい薬が入眠剤である。
飲んでしまえば寝るまではこっちのもの。薬の副作用で何をしたか覚えていないことも多々ある。大きなことはしないようだが、冷蔵庫のヨーグルトなんかはいつのまにか食べられてしまっていたりする、厄介な奴である。
あとは抑圧している感情が見えてきてしまうのか、起きたら覚えのないラインを送っていたりする。大抵内容は「この前は楽しかったね、あのあとでOOしちゃってごめんね」「今度の休みが合う日にどこどこにいこう」くらいの軽いものから「わたしが生きているせいで大勢の人に迷惑をかけてしまい本当に申し訳ないと云々」くらいまで程度はさまざまである。唯一の救いは他人を貶すような内容を書かないことである。覚えていないとはいえ、理解ある数少ない友人を失いたくはないのである。
今も眠剤を飲んだ状態で書いている。
身体的にも体感的にもふらふらふわふわする。酩酊状態の意識はクリアな状態を想像してもらえると近いかもしれない。さっきも冷蔵庫に麦茶を取りに行ったら手が変なところをつかもうとしていた。気を抜いているとまあそれくらい体の動きがてきとうになる。
この状態で生きることが出来たら、それはそれでしあわせかもしれない。いろんなものごとの機微を感じられなくても、大枠の幸福に包まれているような気分でいられる。まるで竜頭の子どもたちのようだ。不安感、緊張感の全くない状態ははたして人間らしく生きていると言えるのであろうか。極度の不安感・緊張感を抑えるために薬を飲む。人間らしい生き方をしているのはどちらだろうか。
まあ寝る前なんて答えの出ようもないことを延々考えてしまったりしますよね。
少なくとも今は翌日の仕事の諸々を検討し、それで精神が摩耗することはなくなりました。おだやかな眠りの前。おだやかな生活。
でも、確実に終わりも近づいてきていて、その時になって焦らなくていいように元気なときに少しずつ準備をしておく。
ぜんぜんわからない。
わたしは社会に向いていないんだろうか。
障害をオープンにして働くべきなんだろうか。
いつまで薬を飲み続ければいいんだろうか。
制度を使えばゴミクズだと罵られるだろうか。
わからない。
クローズで働くという手ももちろんある。
長く続けられるのか、相談できないところで、一人で
よくわからなくなってきた。
今日は考えが深くならないうちに寝てしまおう。
レモネードでほっとひといき。
ぐれないで。
あぐれ